サーマクール(Thermage)は、RF(radiofrequency、高周波)を使う医療機器の名称です。韓国で施術情報を調べると、「써마지」「써마지FLX」という表記も見かけます。韓国の食品医薬品安全処(MFDS)の公開一覧には、Thermage FLX System・써마지FLX・써마지、モデルTG-3Aの許可記録があります。ただし、この一覧だけでは、許可された用途や部位までは分かりません。韓国MFDS公開一覧 ↗

この記事では、韓国で施術情報を調べる日本語読者に向けて、機器の名前、RFと冷却の役割、公式に記載されたリスク、国ごとの資料の違いを整理します。

サーマクールとThermage FLXという名前

サーマクールはThermageに対応する日本語表記で、FLXは具体的なシステム名の一部です。 厚生労働省の2017年資料にも「サーマクール(Thermage)」という表記があります。日本の提供機関は「サーマクールFLX」、韓国MFDSの同一許可記録は「Thermage FLX System」「써마지FLX」「써마지」と表記しています。日本語と韓国語で別の施術名に見える場合も、機器名とモデルを照らし合わせて読む必要があります。厚生労働省の名称表記 ↗・日本の提供機関の表記 ↗・韓国MFDS公開一覧 ↗

韓国の記録は、許可番号「수허18-245호」、モデル「TG-3A」、許可日2018年8月21日、品目状態「정상(正常)」です。一方、米国FDAの文書では、Thermage FLX Systemと先行機器Thermage ThermaCool CPTを区別しています。「Thermage」という名前だけで、世代やモデルまで同じだとは判断できません。韓国MFDS公開一覧 ↗・FDA提出文書 ↗

RFで組織に作用し、表面を冷却する仕組み

RFは高周波のことで、米国のFLX文書では、RFで組織を選択的に凝固させる一方、表皮を伝導冷却すると説明されています。 ここでいう凝固は、熱によって組織に変化を与えることです。RFによる作用と皮膚表面の冷却には、それぞれ異なる役割があります。FDA提出文書 ↗

Thermage FLXのRFによる作用と表面冷却の役割を分けた概念図。実際の深さ・解剖学的構造・設定・出力を示すものではありません。
Thermage FLXのRFによる作用と表面冷却の役割を分けた概念図。実際の深さ・解剖学的構造・設定・出力を示すものではありません。編集図 · 制作:MIRO編集部

同文書には、機器とハンドピースが皮膚との接触を監視し、インピーダンス、つまり電気の流れにくさに関わる特性の違いに対応してRFを調整するという説明もあります。こうした作動原理の説明だけで、一人ひとりに最適な結果が出るとはいえません。FDA提出文書 ↗

冷却機能があっても、無痛や熱傷の回避は保証されません。米国メーカーの安全情報には、施術中の痛みと熱傷の可能性が記載されています。冷却機能があることと、実際にどのような反応が起こり得るかは、分けて確認する必要があります。メーカー安全情報 ↗

禁忌と未検証の対象、痛みや施術後の変化

米国メーカーは、心臓ペースメーカー、カルディオバーター、除細動器など、電気的な植込み機器がある人に施術を受けないよう明記しています。 カルディオバーターも、心臓の異常なリズムに電気的に対応する機器です。また、使用を研究していない条件を、これとは別に挙げています。メーカー安全情報 ↗

研究していないとされるのは、次の条件での使用です。

  • フィラーが入っている部位
  • 妊娠中・授乳中、糖尿病、ループスなどの自己免疫疾患がある人
  • 口唇ヘルペス、性器ヘルペス、てんかんがある人
  • アートメイクや入れ墨がある人
  • 小児

「研究されていない」は、施術を受けないよう明記された条件とは異なります。ただし、施術を受けられると確認されたことも意味しません。メーカー安全情報 ↗

公式資料の「禁忌」と「研究されていない条件」を区別する用語整理図。個人の適応を判断する図ではありません。
公式資料の「禁忌」と「研究されていない条件」を区別する用語整理図。個人の適応を判断する図ではありません。編集図 · 制作:MIRO編集部

痛みや施術後の変化について、米国メーカーは次のように記載しています。表の時間はメーカーが示す通常の経過であり、一人ひとりの回復期限を示すものではありません。メーカー安全情報 ↗

反応・リスクメーカー安全情報にある説明
施術中の痛み最もよく報告される有害反応は、施術部位の軽度から中等度の痛み
赤み通常24時間以内に解消
腫れ通常5日以内に解消するが、数週間続く場合がある
熱傷、水疱、かさぶた頻度が低い有害反応として記載され、瘢痕が残る可能性もある
皮膚表面の凹凸施術後1か月以上たって現れる場合もある
しびれ、ピリピリ感、一時的な麻痺通常は短期間で解消するが、数週間続く場合がある
皮下のしこり・結節主に首に生じ、通常1〜2週間で解消するとされる
皮膚の色が暗くなる変化通常数か月以内に解消するとされる

熱傷以降の項目は、メーカーが「頻度が低い」として挙げている反応です。ただし、この安全情報には具体的な発生率や、その計算のもとになる研究対象者数は示されていません。「まれだから自分には起こらない」「翌日には必ず戻る」とは判断できず、無痛・ダウンタイムなし・誰にでも適するという説明はできません。メーカー安全情報 ↗

国・モデル・使用目的を分けて読む理由

米国の説明を、日本の承認や自分の結果と同じには考えられません。 メーカーサイトも、別途記載がない限り情報は米国を対象とすると明記しています。韓国で施術情報を探す場合も、米国の用途をそのまま韓国の許可用途として読むことはできません。メーカー情報の対象国 ↗

国・資料確認できる内容と、その範囲
韓国・MFDS公開一覧FLXのモデルTG-3Aについて、2018年8月21日の許可記録がある。ただし、確認した一覧には使用目的がなく、許可された用途・部位までは分からない
米国・FDA記録と提出文書2017年9月22日に実質的同等性の決定が記録されている。使用目的は機器の構成別に記載されている
日本・提供機関の公開文東京美容皮膚科クリニックは、同院のFLX治療に使う医薬品・医療機器が国内で薬機法上の承認を受けていないと公開している。これは同院の説明であり、独立した規制原簿で全モデルの現在の状態を確認したものではない

出典:韓国MFDS公開一覧 ↗・FDA決定記録 ↗・FDA提出文書 ↗・日本の提供機関による公開文 ↗

米国文書では、RF単独の構成部分について、上・下まぶたを含む目周囲などのしわの非侵襲的処置が記載されています。また、RFと皮膚振動を同時に使う構成については、セルライトの外観の一時的改善などが記載されています。これらは米国文書にある使用目的であり、日本や韓国の許可用途や、個人への効果を示す記述ではありません。FDA提出文書 ↗

日本の電子添文の記載要領でも、販売名、承認・認証・届出番号、使用目的又は効果、禁忌・禁止、使用上の注意は別の項目として扱われます。名称の似ている機器を比べるときも、どの国の、どのモデルについて、何の目的が示されているかをそろえることが、資料を読み違えないための確認点になります。厚生労働省の電子添文記載要領 ↗

この記事で参照したFDA公開文書は、非臨床評価と先行機器との同等性を中心に説明した資料です。新たな臨床試験の対象者数・効果量・追跡期間は示していません。これは、臨床研究が一切ないという意味ではありません。また、メーカーの製品紹介と独立した臨床検証は区別する必要があります。この文書とメーカー情報だけでは、自分にいつ変化が出るか、どの程度続くか、自分が施術に適しているか、長期に繰り返した場合の安全性までは確定できません。FDA提出文書 ↗・メーカー情報 ↗

出典と確認日

記述の根拠をたどれるよう、参照先と確認日を掲載しています。

  1. Thermage — System Indications and Important Safety Information ↗確認日 2026-11-03 · 出典1
    確認に使った記述
    Do not undergo Thermage ® treatment if you have a cardiac pacemaker, a cardioverter, a defibrillator, or any other electrical implant. [...] Solta Medical has not studied the use of the Thermage ® system: Over skin fillers (lips, cheeks, facial wrinkles and skin folds) In people who are pregnant and/or breast feeding, diabetic, have an auto-immune disease such as lupus, have cold sores, have genital herpes, or have epilepsy In people who have permanent make-up and/or tattoos In children [...] The most commonly reported adverse effect during treatment is mild to moderate pain in the area being treated. [...] Mild redness may occur and typically resolves within 24 hours. Swelling may occur and typically resolves within 5 days, but can remain up to several weeks. The following adverse effects occur infrequently: The procedure may produce heating in the upper layers of the skin, causing burns and subsequent blister and scab formation. There is a possibility of scar formation. Skin surface irregularities may appear up to 1 or more months post-treatment. Numbness, tingling” or temporary paralysis may occur; typically resolves in a short period of time but may persist up to several weeks. Lumps or nodules may occur under the skin primarily in the neck area, and usually resolve within 1 or 2 weeks without chronic or long-term complications. Skin may darken, but normally resolves within several months. [...] All information and materials on this site pertain to the U.S. only, unless otherwise indicated.
  2. FDA K170758 — Thermage FLX System:決定書・使用目的・510(k)要約 ↗確認日 2026-11-03 · 出典2
    確認に使った記述
    [Page 4] Device Name Thermage FLX System [...] Thermage ThermaCool CPT cleared under K090580 on June 26, 2009 [...] The Thermage FLX System delivers RF energy for selective coagulation of tissue while conductively cooling the epidermis. [...] The System and its Handpiece monitor skin contact during treatment. The System employs RF tuning to provide RF energy across a range of impedances [...] [Page 5] The radiofrequency (RF) energy delivery components [...] Non-invasive treatment of periorbital wrinkles and rhytids including upper and lower eyelids; [...] The simultaneous application of radiofrequency energy and skin vibration [...] Temporary improvement in the appearance of cellulite; [...] [Page 7] Brief Summary of Nonclinical Tests and Results [...] [Page 8] Non-clinical test results demonstrate that the Thermage FLX System is substantially equivalent to the predicate devices and no new issues of safety or effectiveness have been raised.
  3. FDA 510(k) Premarket Notification — K170758 ↗確認日 2026-11-03 · 出典3
    確認に使った記述
    510(k) Number K170758 Device Name Thermage FLX System and Accessories [...] Decision Date 09/22/2017 Decision Substantially Equivalent (SESE)
  4. 厚生労働省 — 医療機器の電子化された添付文書の記載要領について ↗確認日 2026-11-03 · 出典4
    確認に使った記述
    2.記載項目及び記載順序 (1) 作成又は改訂年月 (2) 承認番号等 (3) 類別及び一般的名称等 (4) 販売名 (5) 警告 (6) 禁忌・禁止 (7) 形状・構造及び原理等 (8) 使用目的又は効果 (9) 使用方法等 (10) 使用上の注意 [...] 承認番号、認証番号又は届出番号のいずれかを記載する [...] 承認又は認証を受けた使用目的又は効果を記載すること。
  5. 厚生労働省 — サーマクール(Thermage)トリートメント・チップの使用に関する注意喚起 ↗確認日 2026-11-03 · 出典5
    確認に使った記述
    [Page 1] サーマクール(Thermage)トリートメント・チップの使用に関する注意喚起について [...] 平成 29 年 2 月 16 日
  6. 韓国MFDS 医療機器公開検索 — 수허18-245호 ↗確認日 2026-11-03 · 出典6
    確認に使った記述
    "수허18-245호" 에 대한 의료기기 검색 결과입니다. 총 1 건 [...] 1 솔타메디칼코리아 유한회사 범용 전기 수술기 수허18-245호 3 정상 A35010.01 Thermage FLX System, 써마지FLX, 써마지 TG-3A 2018-08-21 2018004887 2020-10-08~2029-11-30
  7. 東京美容皮膚科クリニック — サーマクールFLX・薬機法上の承認について ↗確認日 2026-11-03 · 出典7
    確認に使った記述
    サーマクールFLXについて [...] 薬機法上の承認について この治療法で用いられる医薬品・医療機器は国内においては薬機法上の承認を受けていません。

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更新と訂正

この公開版: 2026.11.04 / 962134d2621f

  1. 2026.11.04 · 初版 · 962134d2621f
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