ヒアルロン酸はどんな成分?保湿という配合目的との関係

ヒアルロン酸は多糖類の一種です。大韓化粧品協会の成分辞典では、肌の状態を整えることや、水を含む処方の粘度を高めることが配合目的として挙げられています。大韓化粧品協会の成分定義 ↗

化粧品では、保湿成分として説明される例があります。この記事で取り上げるイニスフリーの日本公式ページでも、ヒアルロン酸などを「保湿成分」と記載しています。これは、その製品での配合目的の説明です。イニスフリー日本公式 ↗

成分名が表す意味と、製品の説明を分けて見ていきましょう。

「ヒアルロン酸」「成分表示と分子量の読み方」の文字と、水滴・透明なジェルを配した編集用表紙。実際の製品や浸透性能を示すものではありません。
「ヒアルロン酸」「成分表示と分子量の読み方」の文字と、水滴・透明なジェルを配した編集用表紙。実際の製品や浸透性能を示すものではありません。制作:MIRO編集部

「Na」はナトリウム塩、「加水分解」は処理を表す

「ヒアルロン酸Na」のNaはナトリウム塩であることを、「加水分解ヒアルロン酸」の「加水分解」はヒアルロン酸を分解する処理を表します。それぞれ、形の違いと処理の違いを伝える名前です。

大韓化粧品協会の辞典では、Sodium Hyaluronateをヒアルロン酸のナトリウム塩、Hydrolyzed Hyaluronic Acidを「酸、酵素または他の方法でヒアルロン酸を加水分解したもの」と定義しています。一方、日本語の「ヒアルロン酸Na」「加水分解ヒアルロン酸」は、イニスフリー日本公式の製品注記で確認できる表示例です。韓国辞典:Sodium Hyaluronate ↗/韓国辞典:Hydrolyzed Hyaluronic Acid ↗/日本公式の表示例 ↗

日本公式の表示例名前のどこを見る?読み取れる違い
ヒアルロン酸基本の名称多糖類であるヒアルロン酸を指す
ヒアルロン酸NaNaナトリウム塩という形を表す
加水分解ヒアルロン酸加水分解ヒアルロン酸を加水分解したものを指す

Naは「低分子」という意味ではありません。また、今回参照した加水分解ヒアルロン酸の辞典定義には、特定の分子量や肌に届く深さは示されていません。名前が表す違いと、浸透の深さは別の情報です。ナトリウム塩の定義 ↗/加水分解物の定義 ↗

ヒアルロン酸は糖の単位がつながった成分、ヒアルロン酸Naはナトリウム塩、加水分解ヒアルロン酸は加水分解物として整理した編集図。分子構造や浸透深度、効果の順位は示していません。
ヒアルロン酸は糖の単位がつながった成分、ヒアルロン酸Naはナトリウム塩、加水分解ヒアルロン酸は加水分解物として整理した編集図。分子構造や浸透深度、効果の順位は示していません。編集図 · 制作:MIRO編集部

日本公式の例:「保湿成分」と「角質層まで」を読む

イニスフリーの日本公式ページに掲載されている「グリーンティーシード ヒアルロン セラム」を例に、説明と注記を照らし合わせます。対象は、販売名「GTSH ブースティング セラム」、容量80 mL、生産国が韓国と記載された製品です。製品情報 ↗

注記「*2」では、ヒアルロン酸Na、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸クロスポリマーNa、加水分解ヒアルロン酸、アセチルヒアルロン酸Naを挙げ、「全て保湿成分」と説明しています。前の表では、このうち名称の基本を理解するための3成分を取り上げました。配合目的の注記 ↗

「肌の奥まで浸透」に付く注記「*4」は「角質層まで」です。この製品ページでは、配合目的は「保湿成分」、浸透範囲は「角質層まで」と読みます。「肌の奥まで」だけを切り離して、角質層を越えて届くという説明に広げることはできません。浸透範囲の注記 ↗

これは、この製品についてのブランドの説明であり、独立した臨床検証として扱うものではありません。韓国コスメ全体に共通する表示や、ほかの製品の浸透範囲を示すものでもありません。

「低分子」や成分名だけでは、深さや保湿力は分からない

低分子という呼び方や成分名だけでは、特定の浸透の深さや、完成した製品の保湿力までは分かりません。今回参照した辞典定義と製品説明には、それらを判断できる分子量の数値や、完成品同士の保湿力を比較した結果が示されていないためです。加水分解ヒアルロン酸の定義 ↗/製品説明と比較条件 ↗

イニスフリーのページには「低分子ヒアルロン酸」という説明がありますが、対象原料の分子量を特定する数値はありません。「低分子」や「加水分解」という言葉から特定の分子量を決め、肌に届く深さに換算することはできません。このページで示されている浸透範囲は、注記の「角質層まで」です。低分子の説明と注記 ↗

保湿力を読み取るには、何と何を比較しているかも確認する必要があります。注記「*3」では、従来品に採用したヒアルロン酸とカプセルヒアルロン酸の24時間の吸収・持続比較について、「原料特性に限る」としています。これは原料についての比較であり、市販の完成品同士の保湿力を比べた結果ではありません。この説明から製品の保湿力ランキングは作れません。比較条件を示す注記「*3」 ↗

成分の規格について、日本化粧品工業会のQ7では、化粧品基準等で定められているもの以外に公定規格はなく、各成分の規格は原則として各社が判断すると説明しています。この一般的な説明から、個別原料の分子量や製品性能を特定することもできません。全成分表示名称のFAQ・Q7 ↗

製品ページでは、成分名が示す形や処理、配合目的、浸透範囲、比較の対象を順に確認すると、説明の範囲を整理できます。今回の資料から深さや保湿力を判断できないことは、低分子原料の浸透を一律に否定する証拠でもありません。

出典と確認日

記述の根拠をたどれるよう、参照先と確認日を掲載しています。

  1. 대한화장품협회 성분사전 — 하이알루로닉애씨드 ↗確認日 2026-11-06 · 出典1
    確認に使った記述
    영문명 Hyaluronic Acid CAS No. 9004-61-9 EC No 232-678-0(I) 기원 및 정의 이 원료는 N-아세틸-D-글루코사민과 글루쿠로닉애씨드의 결합으로 얻은 천연의 뮤코폴리사카라이드이다. 배합목적 피부컨디셔닝제(기타) , 점도증가제(수성)
  2. 대한화장품협회 성분사전 — 소듐하이알루로네이트 ↗確認日 2026-11-06 · 出典2
    確認に使った記述
    영문명 Sodium Hyaluronate CAS No. 9067-32-7 EC No 기원 및 정의 이 원료는 하이알루로닉애씨드의 소듐염이다.
  3. 대한화장품협회 성분사전 — 하이드롤라이즈드하이알루로닉애씨드 ↗確認日 2026-11-06 · 出典3
    確認に使った記述
    영문명 Hydrolyzed Hyaluronic Acid 기원 및 정의 이 원료는 산, 효소 또는 다른 방법으로 하이알루론산을 가수분해한 것이다. 배합목적 헤어컨디셔닝제 , 피부컨디셔닝제(보습제)
  4. グリーンティーシード ヒアルロン セラム|イニスフリー 日本公式 ↗確認日 2026-11-06 · 出典4
    確認に使った記述
    肌の奥まで浸透 *4 低分子ヒアルロン酸 *2 *2 ヒアルロン酸Na、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸クロスポリマーNa、 加水分解ヒアルロン酸、アセチルヒアルロン酸Na(全て保湿成分) *3 試験結果:従来品に採用したヒアルロン酸に比べ、 カプセルヒアルロン酸の24時間吸収、持続比較試験(原料特性に限る) *4 角質層まで 商品名 グリーンティーシード ヒアルロン セラム 販売名 GTSH ブースティング セラム 容量 80 mL 生産国 韓国 製造販売元 アモーレパシフィックジャパン株式会社
  5. 全成分表示名称作成業務 よくある質問|日本化粧品工業会 ↗確認日 2026-11-06 · 出典5
    確認に使った記述
    Q7 各成分の規格はありますか? A 化粧品基準等で定められているもの以外で公定規格はありません。各成分の規格は原則として各社により判断されるものです。

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更新と訂正

この公開版: 2026.11.06 / e36ac3dab210

  1. 2026.11.06 · 初版 · e36ac3dab210
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