日焼け止めのSPF・PA・UV耐水性は、それぞれ評価する対象が異なります。SPFとPAは紫外線に対する防止効果の目安です。UV耐水性は、水に触れる前後のSPFを比べて評価した耐水性を示します。この記事では、日本の表示について説明します。海外で購入する製品に、そのまま当てはまるとは限りません。東京都健康安全研究センター ↗、日本化粧品工業会 ↗

SPF・PAの文字と白い無銘のチューブ、クリームを配した編集イメージ。実在製品や性能を示すものではありません
SPF・PAの文字と白い無銘のチューブ、クリームを配した編集イメージ。実在製品や性能を示すものではありません制作:MIRO編集部

SPFは主にUVB、PAはUVAに対する防止効果の目安

SPFは主に紫外線B波(UVB)に対する防止効果を数値で、PAは紫外線A波(UVA)に対する防止効果を+の記号で示す目安です。SPFは紫外線によって肌が赤くなる反応を、PAは肌が黒くなる反応を利用して測定します。PAは「+」「++」「+++」「++++」の4段階です。東京都健康安全研究センター ↗

表示評価する対象その表示だけでは分からないこと
SPF主にUVBに対する防止効果塗る量や汗などの条件が異なる実使用での保護時間
PAUVAに対する防止効果UVBに対する防止効果
UV耐水性水浴前後のSPFを比較した耐水性汗への強さやメイクの持ち

SPFとPAは対象が違うため、どちらか一方で両方の評価を代用することはできません。UV耐水性は、水に触れる前後でSPFを比較する試験に基づく表示です。東京都健康安全研究センター ↗、日本化粧品工業会の耐水性Q&A ↗

日本化粧品工業会は、SPF・PAの表示方法と、ISO 18861による耐水性の表示方法を自主基準として定めています。日本化粧品工業会「紫外線防止」 ↗

SPFは主にUVB、PAはUVAの防止効果、UV耐水性は水浴前後のSPFの比較として区別する編集図。実使用での保護時間や汗への強さ、メイクの持ちを示すものではありません
SPFは主にUVB、PAはUVAの防止効果、UV耐水性は水浴前後のSPFの比較として区別する編集図。実使用での保護時間や汗への強さ、メイクの持ちを示すものではありません編集図 · 制作:MIRO編集部

SPFを自分の保護時間に換算できない理由と、足し算できないこと

SPFは一定の条件で測定された値です。実際には塗る量や汗、拭き取りなどで条件が変わるため、決まった分数を掛けても自分の保護時間を求めることはできません。これは、東京都健康安全研究センターが説明する測定条件と実使用条件の違いから読み取れることです。東京都健康安全研究センター ↗

重ねる製品のSPFも、単純に足し算できません。同センターは、SPF・PAは製品ごとの値であり、単純に足して考えられないと明記しています。たとえば、SPF20の日焼け止めにSPF30のファンデーションを重ねても、SPF50とは計算できません。重ねた状態の具体的なSPFも、個々の表示値からは求められません。一方で同センターは、日焼け止め化粧品は単品で使うよりも重ねて使った方が紫外線防止効果は高まるとも説明しています。東京都健康安全研究センター ↗

UV耐水性の★は水浴試験の条件の違い。汗やメイクの持ちは別

UV耐水性★は合計40分、★★は合計80分の水浴条件で評価した表示です。汗への強さやメイクの持ちは、この星の数からは分かりません。

試験では、水浴前と水浴後のSPFを比較して耐水性を評価します。★は20分の水浴を2回、★★は20分の水浴を4回行う条件です。40分・80分は試験中の水浴時間であり、実際に塗ってから効果が続く時間や、塗り直しが不要な時間ではありません。★★を★の「2倍長く使える」という意味に読み替えることもできません。日本化粧品工業会の耐水性Q&A ↗、耐水性測定法基準の発表資料 ↗

この基準が評価するのは、皮膚の外側から触れる水に対する紫外線防御効果の耐久性です。試験結果を汗への耐久性の表示に使うことは認められておらず、メイクアップ製品の化粧持ちも対象外です。星の数を摩擦への強さや安全性の保証として読むこともできません。耐水性測定法基準の発表資料 ↗

また、評価の指標はSPFなので、PAについて別に耐水性を格付けした表示ではありません。ただし、それを「UVAに対する耐水性はない」という意味に受け取ることもできません。日本化粧品工業会の耐水性Q&A ↗

表示は試験条件での目安。実際には塗る量と塗り直しも大切

表示値は決められた試験条件での目安として読み、実際に使うときは、塗る量やムラ、汗や拭き取りによる変化、塗り直しを別に考えます。

SPF・PAは、皮膚1cm²当たり2mgを塗って測定した値です。「少量しか塗らなくても表示値と同じ防止効果が得られる」とは読み取れません。また、汗をかいたりタオルで拭いたりして塗った状態が崩れると、防止効果は低下します。東京都健康安全研究センター ↗

同センターは、ムラなく十分な量を塗り、2〜3時間おきに塗り直すよう案内しています。この間隔は、その時間内の防止効果を保証するものではありません。汗や拭き取りで落ちた場合に、2〜3時間たつまで待ってよいという意味でもありません。東京都健康安全研究センター ↗

さらに、UV耐水性と一緒に表示されるSPFは、耐水性試験前の値です。水浴後のSPFをそのまま表示したものではないため、「水に入ったあとも、表示されたSPFがそのまま保たれる」とは読めません。日本化粧品工業会の耐水性Q&A ↗

出典と確認日

記述の根拠をたどれるよう、参照先と確認日を掲載しています。

  1. 東京都健康安全研究センター:上手に選ぼう 日焼け止め化粧品 ↗確認日 2026-11-06 · 出典1
    確認に使った記述
    (注)海外で購入された化粧品には当てはまらない部分がありますので、ご注意ください。 SPF は UVB 防止効果の程度を「数値」で表したもので、 UVB によって肌が赤くなる性質を利用した測定方法で求めることができます。 PA は UVA 防止効果の程度を「記号」で表したもので、 UVA によって肌が黒くなる性質を利用した測定方法で求めることができます。 PA+ → UVA 防止効果がある。 PA++ → UVA 防止効果が かなり ある。 PA+++ → UVA 防止効果が 非常に ある。 PA++++ → UVA 防止効果が 極めて 高い。 PA と SPF は化粧品を 1平方センチメートル当たり2mgずつ 皮膚に塗ったときの値です。 化粧品を塗った後 で汗をかいたりタオルで拭いたりすると、紫外線を防止する成分が肌の上でバラバラになり、そのすき間から紫外線が肌に当たるので、日焼け止め化粧品の効果が減ってしまいます。 日焼け止め化粧品は、ムラなくたっぷり塗って2、3時間おきに塗り直して使うと効果的です。 PA と SPF は日焼けを防止する目安ですが、一定の条件で測定された客観的な値です。 <質問1> 化粧水、化粧下地、ファンデーションのそれぞれに PA や SPF の数値が書かれているとき、3つとも重ねて塗ったら PA や SPF は足し算になりますか? <回答1 > PA や SPF はその 製品ごと のものです。単純に足して考えることはできません。でも、日焼け止め化粧品は単品で使うよりも重ねて使った方が紫外線防止効果は高まります。
  2. 日本化粧品工業会:紫外線防止 ↗確認日 2026-11-06 · 出典2
    確認に使った記述
    SPFおよびPAの測定法は、ISO(国際標準化機構)の国際規格であるISO 24444、ISO 24442として発行され、その表示の仕方を日本化粧品工業会の自主基準として定めています。 また近年、日やけ止めの耐水性試験前後のSPF値の比較による耐水性試験法(ISO 18861)が発行され、日本化粧品工業会ではこれを自主基準として導入し、表示方法についても自主基準としています。
  3. 日本化粧品工業連合会:化粧品の紫外線防止効果に対する耐水性測定法基準<2021年版>を制定(2022年11月7日) ↗確認日 2026-11-06 · 出典3
    確認に使った記述
    「水浴時間」が 40 分( 20 分×2回)の場合 UV耐水性★ ( UV耐水性☆ ) 「水浴時間」が8 0 分( 20 分×4回)の場合 UV耐水性★ ★( UV耐水性☆ ☆) ※耐水性表記を行う場合は、水浴を行う前の SPF値を併記すること 本基準は 、皮膚の外側から触れる水に対する紫外線防御効果の耐久性を評価するもので す 。 本試験法の結果をもとに、汗に対する耐久性を表記することは 禁止されています。 ②メイクアップ製品の 化粧持ち性能に関しては、本基準の対象外です。 これまで どおり 各社で 保証を行った表示をすることは差し支えありません。
  4. 日本化粧品工業連合会:紫外線防止効果に対する耐水性測定法基準に関するよくある質問への回答(Q&A)(2022年7月15日) ↗確認日 2026-11-06 · 出典4
    確認に使った記述
    ISO18861 は水浴前の SPF と水浴後の SPF を比較することにより、 紫外線防止効果の耐 水性を算出することができるものとなっています。 SPF を表示する場合は、耐水性試験前の SPF 値を表示する事とし、耐水性試験後の SPF 値は表示しないでください。 UV 耐水性は水浴時の SPF の耐水性を評価しているので、この結果により「汗に強い」 という広告表現は行わないでください。 本基準は指標として SPF を採用していますが、 SPF は主として UVB の防御効果を示 すものの、 UVA に対する耐水性を否定するものではありません。 ISO18861 では耐水性の強さを区別することを目的とし、水浴時間 に関して水浴 20 分× 2 回と水浴 20 分× 4 回の 2 条件を設定しております。

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更新と訂正

この公開版: 2026.11.06 / b88e9a0d011b

  1. 2026.11.06 · 初版 · b88e9a0d011b
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